「針」
桜木の湖でクエスト用のアイテムを回収する我と幽羅。
ふと、幽羅の視線が壁から飛び出す先の鋭い杭に向いていた。
「ねぇ咲耶ちゃん、思ったんだけどさ。」
「何だ?」
「あの飛び出す木の杭って、何のためにあるんだろうね?」
「そうだな……」
ここ以外にも何カ所か、しかも所によっては鉄と思わしき槍が設置されている場合もある。
「不意のダメージを与える……には、微々たるものだな。」
「そうだよねぇ……体力が低いとかならともかく、それ以外だとあんまり意味無さそうだよね。」
「これが体力の半分を削る、と言うものなら警戒するだろうが、初心者以外は何も問題にならないだろうな。」
もう少し近づいて様子を見る。一定間隔で飛び出す杭だが、当たっても多少のダメージにしかならない。
「まぁ、我々にとっても何ら障害は無い……」
(ぷすっ ティウンティウンティウン……)
「あぁっ!咲耶ちゃんが光になって砕け散った!」
「でも、現実的に考えたら一撃死ですよね、あれって。ほら、真正面から刺さったら貫通して……」
「笑顔で恐ろしい事を言うな、雪乃……」
ロックマンで針と言えば即死ですよね。
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